相続した実家を売却するか、活用するかを、同じ項目の表で比べました。売却の税金・手数料・登記と、活用の返済・管理費・空室・共有者の同意まで、公式の情報をもとに解説します。

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実家の売却と活用の手取りを、同じ項目の1つの表で比べられます。数字は国税庁・法務省などの公式ページで確かめたものだけです(確認日2026年11月6日)。
貸す・建てる側の案内は準備中です。
相続した実家をどうするかは、売却するか、活用するかで迷う人が多い問題です。
このページでは、実家の売却と活用を、同じ項目の表で並べて比べます。
入ってくるお金だけでなく、かかるお金や手間、きょうだいとの話し合いまで並べました。
数字は国税庁・法務省・総務省などの公式ページで確かめたものだけを載せ、確認日は2026年11月6日です。
実家の売却も活用も、最初に済ませておくことがあります。
まず、相続した不動産は、相続を知った日から3年以内に相続登記をする義務があります(令和6年4月1日開始。
正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の可能性。
法務省)。
実家の売却でも活用でも、名義が整っていないと先へ進めません。
次に、きょうだいなど共有者がいるかを確かめます。
共有している実家は、売却も大きな活用も、民法上は他の共有者の同意が要ります(民法251条)。
活用の中でも、貸す・管理するなどの事項は、持分の過半数で決められる場合があります(民法252条)。
売却では、売れた金額がそのまま手元に残るわけではありません。
かかるお金を引いたあとの手取りで考えます。
売るときに出てくる項目を、公式に確かめられる範囲で表にしました。
| 項目 | 内容 | 出どころ |
|---|---|---|
| 実家の譲渡所得税 | 所有期間が5年を超えると所得税15%・住民税5%、5年以下は所得税30%・住民税9%(ほかに復興特別所得税が所得税額の2.1%) | 国税庁タックスアンサー No.3208・3211 |
| 実家の取得費 | 売った金額から引ける。購入時の資料が無いときは、売った額の5%を取得費にできる | 国税庁 No.3258 |
| 実家(空き家)の特別控除 | 要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除(令和6年1月以後の譲渡で相続人が3人以上なら2,000万円まで)。昭和56年5月31日以前の建築など条件が多く、令和9年12月31日までの譲渡が対象 | 国税庁 No.3306 |
| 取得費加算 | 相続税を払った人が、申告期限の翌日から3年を過ぎる日までに売ると、相続税の一部を取得費に足せる | 国税庁 No.3267 |
| 実家売却の仲介手数料 | 国土交通省の告示で上限が決まっている。200万円以下の部分5%、200万円超400万円以下4%、400万円超3%(税別)を区分ごとに足した額が上限。800万円以下の空き家等には特例がある。上限なので、実際の額は会社に確かめる | 国土交通省(宅建業者の報酬の告示) |
| 登記 | 相続登記の登録免許税は不動産の価額の0.4%。売る前に名義を整えるため、売却でも必要 | 国税庁 No.7191 |
| 実家の解体・残置物の処分 | 全国共通の公式な目安の金額は見つからなかった。家の大きさや地域で変わるため、複数社の見積もりで確かめる | 公式の目安なし |
| 実家の売却代金を分ける | 売って代金を分ける換価分割のほか、1人が取得して他の人にお金を払う代償分割などがある。誰がいくら受け取るかの合意が先 | 裁判所の遺産分割の案内 |
実家の売却では、税金や手数料を引いた手取りに、きょうだいで分ける額が加わります。
実家の売却は売った金額から費用と税金を引いた手取りで見ると、活用との比較がしやすくなります。
実家の活用は、貸す・アパートを建てる・駐車場にするなど、手放さずに収入を得る方法です。
賃貸収入に目が行きがちですが、建てるお金や借入の返済、毎年の費用も同じ表に入れて見ます。
| 項目 | 内容 | 出どころ |
|---|---|---|
| 実家の活用による賃料収入 | アパート・賃貸併用住宅・駐車場・トランクルームなどで得る。公的な平均額はなく、場所と種類で大きく変わる。業者の試算は前提を確かめる | 公的な平均値なし |
| 実家の活用の建設費・借入の返済 | 活用で建てるなら建設費がかかる。住宅金融支援機構の賃貸住宅ローンは、耐火・準耐火で最長40年の返済期間。金利は申込時の条件で決まる | 住宅金融支援機構 |
| 活用の管理費・修繕 | 活用では管理の委託や修繕の費用が毎年かかる。公的な平均値は見つからなかったので、管理会社の見積もりで確かめる | 公的な平均値なし |
| 活用と固定資産税 | 住宅が建つ土地は、200平方メートル以下の部分で課税標準が価格の6分の1、超える部分は3分の1になる特例がある。建物をなくす・使い方を変えると取り扱いが変わるので、市区町村で確かめる | 総務省 |
| 活用と空室 | 令和5年の住宅・土地統計調査では、全国の空き家は約900万戸、空き家率13.8%、賃貸用の空き家は約443万6千戸。活用では賃貸の空室は収入が減る前提で考える | 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 |
| 活用と所得税 | 貸した収入は不動産所得。建物は減価償却で費用に配分する(土地は対象外)。青色申告の特別控除は条件つきで最高10万円・55万円・65万円 | 国税庁 No.1373・2100 |
| 活用と共有者との調整 | 建て替えなど大きな変更は共有者全員の同意(民法251条)、管理の事項は持分の過半数(民法252条)。決める人と収益の分け方を先に決める | 民法(e-Gov法令検索) |
実家の活用は、収入が続く一方で、毎年の費用と返済も続きます。
実家の活用は収入から返済と費用を引いた手取りを、長い期間で見るのがポイントです。
ここまでの項目を、売却と活用で同じ並びにしました。
どちらが良いかは、家の場所・築年数・きょうだいの考え・借入の有無で変わるため、順位はつけていません。
| 見る項目 | 実家を売る | 実家を活用する |
|---|---|---|
| 入ってくるお金 | 実家の売却代金(1回) | 実家の活用による賃料などの収入(毎月・続く) |
| 最初にかかるお金 | 相続登記、仲介手数料、解体や残置物の処分 | 相続登記、活用のための建設費や改装費 |
| 毎年かかるお金 | 実家の売却が決まるまでの固定資産税と管理費 | 活用の借入の返済、管理費、修繕、固定資産税 |
| 税金 | 譲渡所得税(特例で下がる場合あり) | 不動産所得にかかる所得税・住民税 |
| 空室や売れ残りの影響 | 実家の売却に時間がかかる、値引きの可能性 | 活用では空室の期間は収入が減る |
| きょうだいとの話し合い | 実家を売却すること、代金の分け方の合意 | 実家を活用すること、収益と負担の分け方、誰が管理するか |
| やめやすさ | 実家を売却したあとは戻せない | 活用で建てたあとは返済が続き、見直しに時間がかかる |
実家の活用のプランは、比べる材料のひとつです。
実家の売却と活用は、同じ項目で並べてから決めるのは、困りにくくするための順番です。
使い道がなく、売れもしない土地は、相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらえる場合があります。
負担金の基本額は20万円で、審査手数料は1筆につき1万4,000円、不承認でも返ってきません(法務省)。
建物がある土地は対象になる条件が厳しいため、法務省の案内で確かめてください。
実家の売却は手取りが1回で決まり、実家の活用は収入が続く代わりに返済と費用も続きます。
どちらも相続登記と、きょうだいの合意から始まります。
数字は公式で確かめ、手取りの表を同じ項目で作ってから決めましょう。